おにやけは酒のこと
稚児(ちご)が久しぶりに家に帰ってきたそうです。稚児の住んでいる寺の坊さんから手紙が届き、稚児に対する気持ちが語られ、「おにやけに渇えている」とも書かれていたそうです。これを読んだ稚児の母が、おにやけとは何かと聞くと、答えに困った稚児は酒と答えたそうです。そこで、親は諸白の樽を十ばかり山へ持たせ、手紙を持ってきた使者にも「おにやけを召し上がれ」と酒をすすめたそうですが、下戸だという返事なので、「おにやけの実を召しあがれ」といったそうです。
「昨日は今日の物語」(東洋文庫」)にある笑話です。おにやけとはは若気(にゃくけ)から転じた言葉で、男色の若衆のことだそうです。酒のことだと返事をしたのは、「おにやけ」を「鬼焼け」と読み替えていった言葉なのでしょうか。「おにやけの実」とはここでは酒粕のことです。この頃の日本では男色が比較的普通に語られていたようです。
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